オーバープロネーションとは

2016-06-15

少し久しぶりにこのコラムを書くような気がします。サボっていてスミマセン(笑)。今回は足のお話です。

二足歩行の人間の場合、「荷重関節」といって立って動いている間に常に上から下へ向かって力が加わり続けている関節があります。脊椎の1つ1つの椎間関節、仙腸関節、股関節、膝関節、足関節などです。力が加わるといっても関節内では骨と骨が直接ぶつかり合うことは(変形性関節症などを除いて)基本的にありません。そこには緩衝的な役割として軟骨組織があり、周りを覆う靭帯や腱、筋肉などの軟部組織があり、それらが全体でクッションのような働きをして、バランスの良い動きをとることで一箇所だけに偏って負担が集中することを避けているのです。しかし加齢によってその構造が変化したりスポーツで特定の動きを繰り返す中で、関節に掛かる荷重の「軸」が本来の位置よりズレてしまうことがあります。その状態が長らく続くとやがてそれは故障やケガの元となり、あまりよろしくない状態となってしまうのですね。

足関節では、本来ならば足の中心に掛かるはずの荷重軸が足の内側に偏ってしまっていることを、「過回内」「オーバープロネーション」といいます(荷重軸が正常な状態は「ニュートラル」)。ある程度の「回内」「プロネーション」は足に掛かる衝撃を吸収する上で自然に起こる現象ですが、それが過剰な状態になることには注意が必要です。ランニング、あるいは通常の歩行動作でもこうしたオーバープロネーション状態になってしまう方は意外と多く、更にその中の一定数の割合の人は、それが原因の1つとなって下半身の故障を作ってしまうことがあります。

足関節がオーバープロネーションになっている場合、それによって発生したケガ・故障を治療で治すことはもちろん可能ですが、内側に偏った軸そのものを治療の中だけで根本から元の状態に戻す(矯正する)ことはとても難しいものとなります。しかしとれる対策が幾つかあります。

まず1つ目はシューズやインソールでの調整です。

現在、市販されているランニングシューズはオーバープロネーション対応になっている物が数多くあります。シューズを購入する場合は足の構造などをよく知っている店員さんがいる専門店で、様々な製品を試し履きしながら決めると良いでしょう。そしてシューズのインソール(中敷き)をカスタムメイドで足に合ったものに組み替えてゆくのも一案です。インソール製作の専門店だとお値段はそれなりにしてしまいますが、きちんと足の形状を計測して作るのでそれだけ安定感があり、足の荷重軸のズレによる動揺を最小限に抑えてくれる効果が見込まれます。

2つ目は周辺筋肉のトレーニングです。

後脛骨筋といって足底アーチと足関節を内側から支えている筋肉があります。この後脛骨筋が本来の機能を果さずアーチが落ち込んで偏平足になると、オーバープロネーションを誘発することがあるのです。そこでこの筋肉を効率よく鍛え、アーチをより強く安定して支える構造が得られれば、それは荷重軸の安定にもそのまま繋がるものとなります。鍛え方についてはここで詳しく書くと長文になってしまうので省きますが、足の治療でいらした方はお気軽に聞いて下さい。また、骨盤回りやハムストリングスなど体幹周囲の筋力を強化することで得られる安定性もとても重要です。

尚、ご自分の足がオーバープロネーション気味になっているかどうかは、どなたでも簡単な方法でセルフチェックすることが出来ます。こちらも治療にいらした際に詳しくアドバイスさせて頂きます。

院長:本多

下の絵は右足を後ろから見たものです。左側から、
オーバープロネーション(過回内)
② ニュートラル(正常)
③ サピネーションもしくはアンダープロネーション(回外)

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