「応急処置時のアイシング方法」の補足

2017-07-24

いつも当院HPをご覧いただき有り難うございます。最近数ヵ月、更新をすっかりサボっており申し訳ございませんでした(汗)。さてこのホームページもアクセス解析というのでしょうか、毎日どのページにアクセスがあり、どのくらい読まれているのか…というのが管理者の私に一目で分かるようになっております。時々それを覗いて確認してみるのですが、これがなかなか興味深いというか参考になるデータなのですね。

で、有り難いことにこのHPを立ち上げて以来、毎日ダントツでアクセスが多いのが…「ケガ・痛みの豆知識」内の「VOL.1 応急処置時のアイシング方法」です。出来る限り分りやすく簡素に応急処置の概念、アイシングの方法や理論をまとめたつもりですが、うまく伝わっていますでしょうか…。今回はそのページ内で書ききれなかったことの補足で、Q&A形式で幾つかランダムに書いておきたいと思います。

Q. アイシングにはなぜ氷が適しているのですか?

A. 何より効果があること、そして安全性(凍傷の危険が少ない)、手軽さ(用意しやすい)、経済性(冷凍庫で作ればタダ)の4拍子揃ったものが「氷」だからです。一番最初の「効果」に関しては、体の深部への冷却に一番適しているのが「0℃の氷」とされています。0℃より低いもの(硬い保冷剤等)だと場合によっては凍傷の危険もあり、逆に0℃よりも温度が上がってゆくと当然ながらその分アイシング効果も薄れてきてしまいます。

0℃の溶けかかった氷が優れているのは、0℃の氷が0℃の水に変わるために、とても大きなエネルギー(=熱量)を必要とするからです。大きなエネルギーは、皮膚表面からだけで十分に得られないので、筋肉や関節の深部からも熱を奪うので、その結果深部まで冷やされることになるのです(※)。

Q. コールドスプレーもアイシングには適しているでしょうか?

A. コールドスプレーもアイシングの1つの方法ではありますが、あまり積極的なお勧めはできません。なぜなら、コールドスプレーはシュッと患部にひと吹きしても深部までの冷却効果はあまり無く、また同じ箇所に長い時間吹きかけていると、逆に凍傷の危険があるからです。要するに「一番適した使い方」というのが難しい製品なのですね。もちろん全てがダメというのではなく、あくまでも野球のデッドボールやサッカーでの接触プレーなど、フィールド内での打撲等に対して、その場ですぐ復帰出来る程度の損傷であることを前提とした一時的な応急処置での使用に留めて頂ければ良いのではないでしょうか(試合の後でまたしっかり氷で冷やしましょう)。

Q. 湿布はアイシングになりえるでしょうか?

A. 通常の湿布は冷湿布ならばサリチル酸メチル、カンフル、温湿布ならばトウガラシエキス等の刺激物質が含まれています。これらは刺激により代謝を高めてしまうので、初期のアイシングが必要な時期(=痛み、腫れ、熱が著明で患部の新陳代謝を低下させなければいけない時期)に湿布だけで済ましてオシマイ…は出来るだけ避けたいものです。でも「冷○ピタ」など、含水率の高いジェル状の冷却シートは通常の湿布よりも冷却効果が期待できますので、すぐに氷が用意できない時などでうまく使い分けてみてはいかがでしょうか。それでも「氷か冷却シートか」の選択であれば、応急処置においては氷の方が圧倒的に良いと考えます。

Q. コンディショニングでアイシングをしたいけれど学校では氷が用意できません。どうしたらいいでしょうか。

A. これは悩ましいですね。製氷機があっていつでもアイシング出来る環境というのは学校でもクラブチームでも割合としてはまだそう多くはありません。本来ならばアイシングは練習終わり等にすぐに出来ることが理想です。もし氷が用意できなければ手足ならば水道水の冷水を掛け続けることも有効です。

しかし帰宅時間の都合等でそれも無理…であればここは割り切り、帰宅まで待ちましょう。帰宅後出来るだけ早く(練習終了から出来るだけ最短で)アイシングをして患部周辺の発熱がある程度治まってから、その後に改めてシャワーを浴びて…の順で良いのではないでしょうか。但し、あまり何時間も経ちすぎてから…ではタイミングとしてはやや遅いかな、とは思います。何故ならその頃には体内のエネルギーを使って患部の熱がもう下がってしまっているからです。この体内エネルギーを省エネすることがコンディショニングとしてのアイシングに求められることだからです(野球のピッチャーが試合後すぐに肩を冷やしているのはそういう理由です)。

※ 参考及び一部引用文献:
 「スポーツ・アイシング ICING CRYOTHERAPY」著:吉永孝徳(ナツメ社)

※ 以前に吉永さんの講義を何度か拝聴したことがありました。
  アイシング理論に長け、分りやすく、素晴らしい講義でした。

 

 

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