「廃用症候群」の症状と対策

2017-10-24

こんにちは。とても秋とは思えない寒さや長雨の鬱陶しさに体調を崩す方も多いかと思います。皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回はまだ一般的には浸透していない言葉かもしれませんが、高齢者医療や介護の分野ではよく耳にする「廃用症候群」について少しお話したいと思います。

「廃用症候群」とは、高齢者の方により多く発症しやすいもので、
過度の安静状態が続いたり体の活動量が低下することで体や精神に変調をきたしてゆく症状の総称です。この廃用症候群では筋肉や骨格の萎縮、関節が動かしにくくなる、心肺機能、循環機能、精神・認知機能等が低下する・・・といった症状が複雑に合わさって悪循環となり、それにより更なる廃用状態を呼び起こし、最終的には寝たきり状態へと進行してしまいます。

近年では以前にもこのコラムで書いた「ロコモティブ・シンドローム」や「フレイル」という言葉も徐々に浸透していますが、「廃用症候群」は前述したように体が退行的に変化したことで起きた各症状を総合的に組み合わせた医学用語と考えて下さい。

通常的に考えられる老化現象に加え、様々な慢性疾患が加わり、心の元気さも徐々に無くなってしまう。そうしているうちに以前は活発に外出していた方が家に閉じこもるようになり、座っている時間や横になっている時間が必然的に長くなってしまう。特定のご病気で一定期間入院された際なども、その後も過度に安静にし過ぎていると特に下半身の筋肉や骨格はあっという間に衰えてしまいます。もしご家族や近しい方でこうした変化が見て取れる様な場合は、出来る限り早めに周囲で気付いて対処してゆくことが大切です。特に高齢であればあるほど進行が早いため、注意を払う必要があります。この「廃用症候群」は、その状態になってからどう治してゆくかも勿論大事ですが、それ以上に「予防」の段階がとても重要なのです。

ではどのような予防が大事なのか。

(1)まず、「体を長時間同じ態勢で居続けないようにしてゆく生活習慣」を身につけることです。昼間から家で横になったり座っている時間が長い方は、可能な限り時間を決めて体を動かし、出来れば家から少しでも出て歩くようにする。自分で出来ることは自分で行なうようにすることも大事です。

(2)個々の内科的慢性疾患への対処や、足腰を中心として少しでも関節や筋肉に痛みがあり動かしにくい箇所があれば、早い段階で徹底的に痛みを取るように治療・リハビリをしてゆくことです。

(3)地域活動、社会活動への参加や、家族に友人知人との積極的なコミュニケーションといった、前向きな気持ちで生き甲斐を持てるような日々を送れるための周囲からのサポートも大切かと思います。
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これはあくまでも私見ですが、こうした廃用症候群への兆候で特に気をつけて頂きたいのは高齢者の方々の中でも女性より男性、その中でも特にお独り身となられている方です。

一般的に女性の方は毎日の家事やご近所付き合いなど、ルーティンとしてこなす雑務やコミュニケーションがそのままこうした廃用症候群への予防となっている部分もあろうかと思います。しかし男性の方の中では仕事をリタイヤされた後に持て余す時間が増え、お若い頃から仕事一筋だったためにご近所付き合いも苦手になってしまい、家からあまり出なくなってしまう。食事面でも不規則になり栄養のバランスが崩れてしまう。それが歳月と共に更に悪循環を作ってしまい・・・という流れが出来てしまう方が、女性の方以上に少なからずいらっしゃるように思えるのですね。

前述したように、どちらにしてもまだ体力が十分にある段階での生活習慣の改善等の予防がとても大事です。当院での治療も目の前の痛みを取るのみでなく、そうした部分への積極的なアドバイスを併せてさせて頂きたいと思っています。ぜひご活用ください。

院長:本多

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