変形性膝関節症の対策で大事なこと

2018-02-26

体の中の関節は「荷重関節」と「非荷重関節」の2つに分類されます。常に上からの体重による重力が加わっている関節とそうでない関節の区分けですね。二本足で生活する以上、膝関節は股関節、足関節と同様に「荷重関節」ということになります。

その荷重関節の中でも「膝」は構造的にもろに上からの体重の影響を受ける関節ですので、他の関節に比べて加齢による骨格の消耗(変形)も早く、関節痛や機能障害を起こしやすいものとなっています。国内での有痛患者さんは約800万人、X線検査でなんらかの変形の所見がみられる方は2000万人以上とも言われています。平均的には50代頃から徐々に発症し始める方が多く、70代以降に症状のピークを迎えますが、中には30~40代から発症される方も見受けられます。

変形性膝関節症はその重症度で5つのグレードに分類されています。ここではその詳細は省きますが、上のグレードに進行するほど軟骨が消耗し、それに伴って上の骨と下の骨の隙間(関節裂隙)が狭くなり、最終的に骨同士がぶつかり合うようになると骨そのものの変形の度合いが更に強くなってゆきます。一番重い状態では関節裂隙の狭小、骨の変形がそれぞれ顕著となり、炎症症状で大きく腫れ、歩く時や膝を曲げようとする時に強い痛みが出てしまうようになります。

変形した関節はその可動域も本来の領域に比べて狭くなってしまうことから、日常の些細な動作の中でも「繰り返し捻挫を起こす」のと同じような状態に陥りやすくなります。そして周辺の筋肉も常に膝をかばいながら力を入れているため、疲弊する ⇒ 弱くなる ⇒ さらに痛みが増してしまう、という悪循環を起こしてしまいます。

どんな病気でもケガでも全部同じですが、この症状の場合でも変形の痛みが一番酷くなってから「さあ、どうしよう?」ではなく、出来る限り早い段階での対処が望まれます。一度変形してしまった骨の形は元には戻りませんが、その対策次第で痛みを早くに軽減し、進行を止めたり遅らせることは可能なのです。
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私たち接骨院等で出来る治療、整形外科での療法など、治すための様々な選択肢がありますので、自宅から通いやすくご自身に合った治し方をまずは見つけてみて下さい(もちろん、当院を選んで頂いた際にはその患者さんに合った方法で全力で治療させて頂きます)。

そして1つ重要なことで、変形性膝関節症はどのような治療をしたとしても患者さんご自身が今後の予防の為に必ず行なって頂かなければならないことがあります。

それは「正しい運動量で足を使い続ける」ことです。たとえ膝が変形していなくても人間は歳を重ねてゆけば自然に足腰の筋力が衰えてしまいます。また膝はその関節の構造だけではとても重い体重を支えきれるものではないので、特に大腿部の筋肉(大腿四頭筋やハムストリングス)がきちんとその強さと柔軟性を保ち、膝を支える機能を保つことが必須となります。このためには、足を使い続けなければならないのです。ただひたすら安静にして家で横になっているだけではその場凌ぎにはなったとしても、長い目では良いことはあまりありません。特にご高齢者の場合は「関節の寿命を伸ばしてゆくためには積極的に下半身を動かす」という意識を持って頂くことが大事なのですね。

ではどういう足の使い方、運動の仕方が良いのか。これはその患者さんの痛みや炎症の度合い、痛めてからの期間、年齢、生活環境によって変わってゆきます。まださほどご高齢でなく痛みも小さなものであればそれなりの運動量でも可能な場合もありますし、逆に痛みが強ければ強い程、高齢になればなる程、出来ることは限られてきてしまいます。それなりに動ける方であればゴルフやテニス、水泳、登山なども良いと思いますが、一般的にお勧めできるのは水中ウォーキング、あるいは通常のウォーキングです。水中ウォーキングは膝への荷重が掛からない状態で筋肉だけを鍛えることができますし、結果的に全身運動になるので心肺機能も強くすることができます。普通のウォーキングは一番手っ取り早くできる(お金も全く掛からない)身近な運動で、こちらも長く続ける運動としては最適かと思います。歩くのもきつい方は、自宅内での脚上げ運動、体操など、関節への負担を少なくしながら行う方法も沢山あります(当院でもアドバイスさせて頂きます)。

逆に、ジャンプと着地を繰り返す運動は変形性関節症の方にとっては過剰な負担となる場合もあるので注意が必要です。いずれにしてもご本人の状態と、私たち治療する側の見立て、スポーツジムならばインストラクターの方のアドバイスなどを総合して運動方法や運動量を決めてゆけば良いでしょう。

体を動かす ⇒ すぐに痛みが取れる・・・と直結するわけではないので「運動は膝に大丈夫なのか?」という心配も出てくる向きもあるでしょうが、あくまでも長期的に先を見越し、今後訪れるであろう体の変化に備えて今できることをやっておくという気構えが大切かと思います。

院長:本多
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※膝痛でご通院されている80代の女性患者様から
お借りした膝のレントゲン画像です。関節裂隙が
若干狭くなり、骨の端の方に骨棘が見られるという
変形性膝関節症の典型的な症例です。
(掲載はご了承を頂いています)

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