ストレッチ

前回の話の続きにもなりますが、治療の中で 「ご自分でもストレッチをどんどんやって下さい」 とお話しすることがよくあります。関節や筋肉を痛めた場合、痛みの強い時期にはあまり患部を動かしてはいけませんが、その時期を過ぎたら回復を早めてゆくために積極的に筋肉を動かしたり伸ばしてゆくことも必要になってゆきます。

そのストレッチ、高齢者の方からスポーツ選手に到るまで様々な方法があります。どのタイミングでやるのか、どの時期か、1人でなのかペアでなのか、体を痛めた人がやるのか全く健康な人がやるのか、などの状況によりやり方も変わってゆくものなのです。

当院にご来院される皆様のように体のどこかが痛くて硬くなっている人が行なう場合のストレッチは、基本的に 「ゆっくり静かに(反動をつけないで)1つ1つの筋肉を伸ばしてゆく」 方法が前提となります。この方法は消費エネルギーが少なく安全に行なうことができ、筋肉の痛みなどに対してその予防と改善に効果があるという点で優れています。それとは対称的な反動をつけて行なうダイナミックなストレッチは、回復期の最後になってから行なうべきと思います。 

それぞれの具体的な方法を文字だけで説明するのは難しいですが、全ての箇所に共通するのは「ゆっくり長く息を吐きながら」伸ばしてゆくことです。呼吸は止めないで下さい。息を吐いている時が体は一番リラックスしているのです。最初は息を吐きながら5~10秒筋肉を伸ばしたまま保持、一旦力を抜いてリラックスし、再び同じように。徐々に時間を伸ばしてゆき最終的には1分間程度保持できれば良いでしょうが、自分のペースで行なえればそれで充分です。そうした自分で行なえるコンディショニングを治療と組み合わせてゆくことでお互いの相乗効果も出てきます。全く痛みが無くなった体であれば、今度は痛みの再発予防のための様々なストレッチが試せることになります。

ぜひ健康維持のため、こうしたストレッチを習慣づけて頂ければと思います!