捻挫とはそもそも?

今回は「捻挫(ネンザ)」についてのお話です。

そもそも捻挫とはどういった状態を指すのか。
医学的な定義は

「四肢や体幹の運動器のうち関節の可動域(運動範囲)を越えて外力が及んだ場合に、関節内外の靭帯、筋、腱、関節包などの軟部組織の損傷を起こすもの」

とされています。わかりにくいですね~(笑)。もっと簡単に書くと、

「関節に強い力が掛かったために、骨以外の関節組織を傷つけてしまうこと」

ということになります。

スポーツや日常生活の中で転んだはずみで足をねじったり、手を衝いた時に起こるのもモチロン「捻挫」ですが、元々の体質(関節や筋肉の硬さなど)に日常生活やスポーツをする上での特殊な動作が加わり、関節がその構造の強さを維持できないような損傷を起こしてしまった時・・・これも私たちは広義の意味で「捻挫」ととらえています。

例えば高齢者の方で膝の関節が大きく変形してしまった方は、膝の曲げ伸ばしの可動範囲が極端に狭まった状態になっています。関節がそのように狭い動きしか出来ないと、階段を上り下りしたり、しゃがんだり・・・といった普通の日常動作の中でも関節の構造を更に傷つけてしまう(捻挫としての)要因は数限りなく存在します。

これは 「日常的に捻挫を起こしている状態」 とも言えます。また、自分では単なる肩こりだと思っていた首の痛みも、よく診てみると首や肩の周囲を覆っている僧帽筋が過剰な緊張状態となって動かしづらくなっており、物を持ったり首を動かしたりといった普通の動作で筋繊維を傷つけていることも多々あります。これも捻挫の1つです。

治療の中ではそうした傷ついた関節内の組織の修復を第一に目指し、更に今後そういった状態を繰り返さぬように(再発しないように)、関節や周辺の筋肉などに元々の柔軟性と本来の動きを取り戻してゆく作業を進めてゆきます。

小さな痛みでもバカにできない症状もたくさんあります。気になった方はぜひお早めにお気軽にご相談下さい。