足の形

足の形というものは、十人十色で実に様々です。多くの患者様の足を診てきましたが、正常な足の形の人と、何らかの形の異常がある人の割合は3:7くらいといったところです。形の異常で代表的なものは、土踏まず部分の縦アーチが低すぎる(偏平足)、高すぎる(ハイアーチ)、外反母趾、内反小趾、足指が浮いてしまっている(浮き指)、足指が曲がりすぎて変形してしまっている(ハンマートゥ)…等々。また、足に体重が掛かる時の軸の異常(オーバープロネーション、サピネーション)をきたしている方もかなりおられます。

なぜそのような形になってしまうのか。本来生まれてきた時は殆どの方が正常な形です。それが成長して大人になるにつれて左右のバランスの崩れ、正しくない歩き方や使い方、筋力や関節の衰え、合わない靴を使い続けるなどの様々な原因が重なり、変わっていってしまうのですね。そしてこうした足の形の異常がある人の大半は、長い人生の中で一度や二度は、膝や足の痛み、その他の体の故障に悩まされることが出るのではないかと思われるのです。

人間は二足歩行ですから、立っている時、動いている時は体の重みの大部分を2本の足に委ねることになります。足に掛かる負担(衝撃)を最小限に抑えるためには、左右バランスよく力をかけ、そして適度にその力を逃がしてゆく必要があります。もし左右で掛かる負担が著しく違っていたり、一箇所だけに過剰な負担が掛かり続けていたら…。体の機能が本来持っている耐久性を大幅に超えたり、消耗し尽くして衰えてしまいますので、様々な形で痛みを作ってしまうのですね。

そしてこれは足に限らずですが、痛みがある箇所とその痛みの原因となっている箇所は必ずしも同じ場所とは限りません。先に述べたようなバランスの異常という部分で診てゆけば、そうした足の形の異常が発端で膝や腰など別の部位が痛くなることも十分に考えられます。なかなか治りにくい足腰の痛みやなどをお持ちの場合、ぜひ一度、ご相談されてみて下さい。普段のお過ごし方の環境や体の状態などについて十分にお話をお聞きした上で、適切な治療とアドバイスをさせて頂きます。