実は・・・な話

さて、こちらではあえて今まで書きませんでしたが、実は…な話があります(笑)。昨年末から1月あたりまで当院にご来院された方はほぼ全員ご存じなのですが、私・院長本多は12月の最後の日曜日(28日)に道でずっこけ、右脚の骨(腓骨)をボッキリと骨折しておりました。寒い場所で凍っていた路面に足を滑らせ、気付いたら瞬間的に転倒。その際に右脚をグリっと捻じってしまったのですね。現在、ちょうど受傷から2ヶ月にてジョギングも普通に出来るくらいで、ほぼ回復しましたが・・・いやぁ、本当に参りました。

そんな中でも当院の業務を受傷翌日から1日も休まずに続けられたのは不幸中の幸いでしたが、何週間も続いた右脚のギプス固定生活とその後のリハビリ生活。いつもは患者の皆様に施していることを自らが必要に迫られて実践することとなり、実際自分が痛い思いをして改めて気付かされたことも多々ありました。受傷から数日後、いつもならば徒歩20分かかる当院から自宅までの帰宅を、松葉杖での歩行で試みた時のことです。これが大変でした。どれだけ正しい松葉杖の使い方を実践してみたところで、やはりそれだけの距離を松葉杖で歩きとおすことは至難の業です。手の皮は剥けるし、健康な左足も疲れてくるし。道の段差、傾斜、横断歩道の青信号の時間、排水溝の蓋部分の小さな穴、それらは全て健常な時とは全く違う感覚で自らに障害物となって立ちはだかるようでした。また、電車に乗れるようになっても駅での乗り降りで急かされるようだったり、街を歩くにしても周囲の方の普通に歩くスピードが皆、異様に速く感じたものでした。毎日杖をつきながら外出されるご高齢の方々がどれだけ心細い思いをされているか、その一端を垣間見た思いでした。

こうしたことは日頃皆様を治療する立場で頭では十分に分かっているつもりでも、実際に同じ立場にならないと本当の意味では分からないことなのだなぁと改めて思った次第です。何十年も仕事をしてきて今更こんなことを書くのは恥ずかしいことなのでしょうが、人様の痛みを自分の痛みとして今まで以上により深く感じられるようになったと思いますし、そういう意味で今回の療養生活は自分としては大いに実りのある時間だったと思います。今後の治療業務においても必ずやフィードバックできるものと思っています。

2月の上旬あたりまでは院内でもいつものように俊敏に動けず多くの患者様にご迷惑をお掛けしてしまいましたが、逆に皆様には温かいお言葉をかけて頂いたりご心配を頂いたりと、感謝の念に堪えません。本当に申し訳ありませんでした。そしてありがとうございました。今後はこういった事が二度と無い様、日常でも細心の注意を払いたいと思います(^^)

院長:本多