ロシアのドーピング問題から

ロシアの陸上競技界が国際大会等で組織的なドーピング隠しを行っていたという件、かなり大きな事件になってしまっていますね。それこそ昔、東西冷戦時代の80年代以前は東欧諸国で国威高揚のためにスポーツの国際大会でメダルを量産すべく、何でもアリな感じで選手にバンバン薬物を使わせていた…なんていう話もありましたが、現在はまた違った時代背景の中で組織的にドーピングが行われていたりするのでしょうか。今回の場合はロシアの薬物検査機関自体が不正に絡んでいたということですが、本当であれば正直そこまでやるか…と思ってしまいます。これはロシアに限ったことではないかもですが、欧米のスポーツ界では 「バレなければ何をしても良い」 という価値観が一部であることもまた事実です。私はアメリカの総合格闘技(UFC)などを観るのが大好きなのですが、チャンピオンクラスの選手が抜き打ちのドーピング検査で陽性になって試合が無効に…なんてことがしょっちゅうあるのです。こうしたイタチごっこがこれからも延々と続いてゆくのかと思うと残念な気持ちになります。

反面、日本のスポーツ界ではこうした意図的なドーピングが問題になって表面化したり選手が処分される例は(ゼロではないかもですが)まず滅多にみられません。もちろん組織ぐるみなど皆無。この差はなんだろうと考えるのですが、やはり国民性といいますか 「フェアプレー精神」 「卑怯は悪」 といった道徳観念がしっかり根付いている証かと思うのです。そして日本におけるアンチ・ドーピング機構(JADA)のチェック機能が万全でかつ、スポーツファーマシストといってドーピング問題に関わる専門薬剤師が5,000人以上認定されてるという世界に類を見ない対策が取られていることもその一助になっているのでしょうね。メダルを量産すること以上にこれらは皆、日本人が世界に誇れるべきことなのではないでしょうか。

言うまでもないことですが、スポーツに限らず私たちの社会は厳正なルールの中で成り立っています。日常の中でもこのフェアプレー精神を常に忘れずに過ごしてゆきたいものですね。

院長:本多