ケガのあとの心構え
スポーツをしている学生さんたちが故障を起こしてしまった場合、大きく分けて2つの療養の方法がとられます。
まず1つは練習量・内容を調整しながら、同時に治療を進めていく方法、そして2つ目は練習を一定期間、休んで頂いて療養に専念する方法です。後者の場合は、故障のレベルが高い故に安静期間が必要と判断されるからですが、選手の方々にそれを理解・納得して頂くまでが大変難しいことが多々あります。
基本的にケガの治療は安静第一から始めますが、どの選手の皆さんも練習はあまり休みたくないものです。また、数日後や数週間後に大事な試合が控えている、どうしても事情で練習を休むことが出来ない等、様々なケースもあります。しかし長い目でみてゆけば、キチンと治すべき時期をおそろかにしてしまった故に、早く回復できるはずの故障が治りづらくなるのはとてももったいないこと。選手の方にとっても目先の目標だけにとらわれずに、競技生活の中で一番大切なことは何かをしっかりと自問自答し、ご判断されてゆくことが必要になります。
但し、治療する側としてはただ 『安静にしてください』 とだけお願いするのはとても簡単なことですし、素人でも言えることです。選手の皆さんの個々の要望や大事な試合までのスケジュールを極力把握しつつ、最善で最短の回復方法が取れるように模索してゆこうと考えています。機械を直すようにはいかないのが人間の体の難しいところですが、当院では常に痛めた方の気持ちに立った治療を心掛けております。