スポーツをしている方がケガや故障をした場合、「どの程度、安静にすれば良いか。どのタイミングで競技に復帰したら良いか。」というお話が治療の中では必ず出てきます。小学生のお子さんでも大人の方でも、好きで続けているスポーツを出来るだけ休みたくはない、早く復帰したいと思うのは当然ですよね。しかし痛みのある中でも練習を休まず、患部を使い続けてゆくことは早期回復に大きな支障をきたしてしまいます。さぁこの場合、どうすればよいでしょう。

よく当院ではスポーツ選手の治療の中で「痛みの強い時は、全ての望みを同時に叶えることは出来ません。優先順位を作りましょう。」というお話をさせて頂きます。選手の皆さんの「全ての望み」とは、

(1)最短期間で早期に完治させる。
(2)痛みの強い段階でも練習を休まず出る。
(3)迫っている大事な試合にも出る。…といったものです。

(1)を最優先事項とした場合は治すことのみに専念するため、(2)と(3)は状況によっては一時的にあきらめ、少しの間お休みして頂かなければなりません。(2)と(3)をケガの初期に優先させた場合は、(1)については逆にやや難しくなり、当面は「最悪の状態にならないため」の経過観察に重点を置く治療となってしまうこともあります。どちらを選ばれるかは患者さんご自身でもよくご考慮して頂く必要があります。こちらからはアドバイスは出来ても強制することは出来ません。

お子さんでも大人でも、スポーツをしている方には強い情熱があり、チーム内での立場もあり、その上で1日でも早く治して万全に動きたい、という共通の思いがあることを私たち治す側は理解しなければなりません。ただ「安静にしておいて下さい。」だけであればこれは私たちのような医療資格者でなくても誰でも言えることですからね。と同時に先にも書いたように全ての望みが今すぐに叶えられない場合、その時点で一番大切なことは何なのか、それを選手の皆さんご自身に充分にご理解を頂くことも、とても重要なことなのです。

ご希望を最大限考慮した上で、時にはそうした選手の皆さんには耳の痛い話をすることもあります。痛みと運動の「兼ね合い」が取れる状態の時には、そうした場合の治療を行います。そしてリハビリ方法等、その時その時で出来る限りの適切なアドバイスをさせて頂きます。ケガの回復には相互の理解と協力が大切です。ぜひ、一緒に治してゆきましょう。