よく、ご高齢の患者さんと治療の中でこんな会話を交わすことがあります。

「これからもっと体が弱くなって家族に迷惑を掛けるのは嫌だわ。」
「そうならないように丈夫なうちから足腰をもっと強くできると良いですね。」

確かに年齢を重ねるにつれ、膝や腰の骨は変形しやすくなりますし(変形性関節症)、周囲の筋肉も若いころと比べて力が落ちやすくなってきます。体力の低下は上半身より下半身がより顕著に感じられるようになり、足腰が弱くなればそれだけ日中の活動量が減るので自然と家にいる時間が長くなり、更に体力が落ちる…という悪循環に嵌ってしまいます。

改めて書くまでもないかもですが、年齢を重ねても強い足腰を維持してゆくことは人間の健康を土台から支える大変重要な課題です。しかし高齢社会の加速化と共に様々な要因が重なってその調整がうまくいかなくなることもあろうかと思います。いわゆる「老化現象」を止めることは勿論出来ませんが、高齢者の方々が出来る限り介護等に頼らずに長い期間「QOL(生活の質)」を安定・維持できるためにどうすれば良いか…ということは医療関係者ばかりでなく、社会全体でもっとより真剣に考えなければならない問題です。

では具体的に何をしたら良いのか。やはり高齢になる前の段階、中高年世代の時期から健康への意識を高め、ロコモティブシンドロームなどの予防に努めてゆくための対策を実践してゆくことでしょうか。あちこちが痛くなってからどう治すかを考えることも勿論大切なのですが、「痛くならないようにするために何をすべきか」が、何より重要なのです。それぞれの環境や体質に見合った形での運動を行い、栄養摂取の管理を万全にする。体重や体脂肪といった部分にも細かく目配せをし、血液検査その他の定期的な健診も怠らずに受ける…。そういった習慣をずっと持続できればそれが一番良いのでしょうね。

定期的にここで同じようなことを書いてますが、大切なことなので何度でも時々(自分自身の意識をより高めるためにも)書いておきたいと思います。

院長:本多