よくスポーツをしていると、あるいはスポーツをしていなくても寒い夜中などに「筋肉が攣る(つる)」という現象がありますね。主に発生しやすい場所は脚のふくらはぎの筋肉(腓腹筋など)や、ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)、ももの後側の筋群(ハムストリングス)などです。寝ている際に急に攣ってしまった時などはとても辛いものですよね。布団の中で痛くて悶絶したご経験のある方は多いのではないでしょうか。この筋肉が攣る状態とはどんなものなのか、今回は少しお話をしたいと思います。

筋肉が攣る(つる)= 筋肉が痙攣(けいれん)を起こす状態を指します。筋肉が自分の意に反して勝手に強く収縮をしてしまうのですね。筋肉には「筋紡錘」と「腱紡錘」という動きを調整するセンサーのような機能が備わっていますが、その2つのセンサーが何かのはずみで誤作動を起こして勝手に一時的に収縮をしたままになることがあります。それがいわゆる痙攣した状態…ということになります。筋肉が攣る現象というのは医学的にはまだ明確な原因は分かっていませんが、おそらく人によって様々な複数の要因が重なり、発症するものと考えられています。主な説としては、

(1)代謝説
(2)脱水説
(3)電解質説
(4)末梢神経説
(5)気候、気温などの環境説
(6)病的因子説 などです。

スポーツ中に起こる痙攣では特に(2)と(3)あたりが大きな要因となりうるようです。大量の汗をかくと体は脱水状態となり、同時に電解質(マグネシウムやカルシウムといったミネラル成分)も失われてゆきます。その補充が随時できていれば良いのですが、水分補給が水だけになってしまと体液が薄まり、そうした電解質の働きによって保たれていた筋肉の機能が落ちてきてしまいます。また(4)については長時間の立ち仕事や歩行などによる筋肉の疲労、あるいは筋肉が冷やされ過ぎてしまうことなどによって末梢神経に過剰な刺激が掛かり、それが筋肉の異常な緊張を起こす引き金となるようです。

自分で出来る対処方法としては、まず「保温」と「ストレッチ(攣った筋肉を伸ばす)」です。攣りやすくなっている筋肉は一時的に硬くなっており、血管が収縮して血液が充分ではなく筋温も低下しています。夜中に攣りやすい場合には暖かい環境でお休みになることや、予め保温サポーターを攣りやすい箇所に装着しておくのも良いかと思います。攣った直後も同様に患部を保温することが望ましいです。一般的にケガの直後は氷などで患部を冷やす「アイシング」が基本ですが、攣った際だけは「温める」と覚えておいて下さい(但し肉離れ等の重度の筋損傷を伴う場合はやはりアイシングです)。

そして攣ってしまった直後は、ゆっくりと焦らずにその該当する筋肉を伸ばして下さい。下腿のふくらはぎや大腿の後面が攣った場合は膝を伸ばして足首を立てます。殆どの場合はそうして伸ばしたままで少し時間が経てばスーッと治まるはずです。またスポーツの現場では、上記したように大量の発汗がある際には水分補給と同時に塩分補給(その他ミネラル成分の補給)も行うことが大切です(ちなみにこれはスポーツ中の発汗のみならず、日常で下痢や嘔吐を繰り返した際にも同様です)。スポーツドリンクをうまく活用して下さい。

筋肉が攣ってしまうこうした症状はその瞬間だけの一過性で終わるものもありますが、その後にも痛みが残るようであればお早めにいらして治療を受けてみて下さい。また例外的に、季節や体の使い方を問わず長期間に亘って毎晩のように攣ってしまう症状の中には内科疾患が原因に含まれる場合もあります。そうした状態の際には医療機関でのお早めの受診をお勧めします。

院長:本多

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