長寿社会の健康指数を計る指標として「平均寿命」とは別に「健康寿命」というものがあります。これは「寿命の中でどれだけ心身ともに自立した健康の期間があったか」を指します。諸外国との比較では平均寿命、健康寿命共に日本が世界一なのだそうで、

日本人の平均寿命は男性80.50歳、女性86.83歳(2014年
日本人の健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳(2013年

とのことです。

日本は既に「高齢化社会」を越え、真の「高齢社会」となっています。こうした時代において、ご高齢の方々が出来るだけご健康を長く維持され、何らかの介護を要する期間を出来るだけ短くしてその健康寿命を伸ばしてゆくような対策を取ることが、これからの社会にはより必要となってゆくのですね。そのためには要介護の原因疾患である脳血管障害への対策としてメタボリックシンドロームへの予防、そして筋肉や骨格を弱めずに体を動かしてゆけるようにロコモティブシンドロームへの予防対策を行い、啓蒙してゆくことが急務となっています。

ちなみに要介護者となる主な原因は・・・

1位 脳卒中
2位 認知症
3位 高齢による衰弱
4位 関節疾患
5位 骨折・転倒

となっています。世代別や男女別の統計では若干変わる部分もありますが、全体的にはだいたいこのような順位になるのだそうです。

4位の関節疾患(変形性関節症や骨粗鬆症など)と5位の骨折・転倒(での後遺症)、この2つを割合を合わせると、原因1位の脳血管障害にほぼ匹敵する数字となります。こうした筋肉、関節、骨格の衰えに由来する何らかの障害がご高齢者のQOL(生活の質)を阻害する大きな原因を占めているのは明らかで、逆に言えば予め取れる対策の余地もまだまだ残されているということですね。

骨粗鬆症となってゆくスピードを遅らせるために中高年世代のうちから何を始めて何に気をつけるべきなのか、或いは骨を周りから支える筋力をどのように維持してゆくか、転ばないような歩き方を習得するために何をすべきか…等々。私たち治療する側も目の前の患者様の痛みを取り除くことにただ腐心するだけではなく、どうしたら「痛みを起こす手前で予防できるようにするか」という部分から考え、それを的確にお1人お1人の患者さまにアドバイス出来るかということも併せて求められているのではないかと思います(これはご高齢の方々に向けた話だけではなく、年齢問わずですが)。

いろいろ考え、それを治療の中で今年も生かせてゆけたらと思っています。遅くなりましたが本年もよろしくお願いします。

院長:本多

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