疲労骨折

お正月の箱根駅伝、私も時間があれば沿道に生観戦に行きます。今年は2日の往路を2区(戸塚区内)で観ておりました。ここは「華の2区」とも呼ばれており、各大学の中でも速い選手がデッドヒートを繰り広げるコースですね。沿道の応援も熱が入り、大変盛り上がっていました。

そんな中、出場常連校の外国人選手が走り始めて10kmにも満たないうちに足の痛みを訴え、棄権してしまいましたね。後ほどの発表で右下腿骨の疲労骨折があったとのこと。そこで今回はスポーツで起こる疲労骨折について簡単にご説明したいと思います。

一般的な通常の骨折というものは、ぶつけた、打った、転んだ等ハッキリした原因があり、骨が持っている構造以上の強い力が一点に加わって起こるものです。それに対して疲労骨折は、小さな外力が体の同じ場所に偏って掛かり続けた結果、骨が持ってる本来の強さが徐々に失われて弱くなり、最終的に折れてしまう症状です。針金をグニョグニョ曲げ続けるとそのうちポキンと折れてしまう、あの金属疲労と同じ現象が骨にも起こってしまうのですね。疲労骨折を起こしやすい箇所としては、足の甲(中足骨)、下腿(腓骨、脛骨)など。脚の骨に多いのが特徴です。これはやはり長期間、長時間に亘って走ったり歩いたりの場合に足は直接上からの加重が掛かりやすい場所だから、ということに起因するからです。また、成長期に起こりやすい 「腰椎分離症」 は腰骨に起こる疲労骨折とも言えるものです。

疲労骨折ではほとんどの場合、いきなりドカンと強い痛みになることは稀で、小さな痛みから始まり徐々にその痛みの度合いが強くなってゆきます。その小さな痛みの時に早めに気が付いて処置すれば大きな症状へ発展することを防ぐことが出来るでしょうが、発症するスポーツ選手の多くがそのまま我慢を重ねて無理をしてしまい、結果的に疲労骨折に到ってしまうというケースなのです。今回の駅伝選手の場合は周囲から絶大な期待をされたであろうことから、なかなか自分から言い出せなかったのでしょうか。そうだとすれば、大変残念なケースでしたね・・・。

体の故障では、初期には見極めが難しい症状は沢山ありますが、数日から1週間程度で引かない痛み、悪化する痛みの場合はこうしたことも念頭に、お早目の療養をお心掛け下さい。

2014箱根駅伝、2区の2位争い