テーピング
当院では主にスポーツで体を痛めた患者さんへの治療の際などにテーピングを施すことがあります。テーピングの目的は大きく分けて幾つかに分類されます。
まず1つ目は、ケガ受傷時の処置の一環として。応急処置の4原則《RICE処置》のうちのR(Rest:安静)とC(Compression:圧迫)を目的とします。更に、単なる固定ではなく損傷部位に余計なストレスが掛からぬよう出来るだけ軽減させるように施してゆきます。テーピングと包帯との併用、或いは包帯のみの使用と、状況により使い分けてゆきます。
2つ目は再発防止のための固定。足関節捻挫などの療養明けから競技に復帰する際、まだ患部が不安定であったり本来の強度を取り戻していない場合にケガが再発しないように少し固定力を強くして巻いてゆきます。
3つ目は痛みの軽減と動作の補助。固定するのではなく、痛めた関節や筋肉がより動きやすくなるようにサポートしてゆきます。これは競技復帰の際にも、あるいは一般的な症状で時間がある程度経過したような場合でも使用することがあります。このような場合は主に伸縮テーピングを使用しますが、テーピングの種類や貼り方を変えてゆくことで、その日その日の状況に合わせてゆくことが出来ます。全体の割合ではこの3番目の目的で使用することが最も多いパターンです。
使用するテーピングの種類は現在は全部で6種類。非伸縮の固定テープ(ホワイトテープ)が1種類であとの5種類は伸縮性のものですが、それぞれに特徴がありますので(柔らかく伸びるタイプや少し硬めに伸びるタイプ)、患部の状態に見合ったものを選別しています。また今後、より使いやすくご提供する上で安価なテーピングがあればそちらを採用することもあろうかと思います。
テーピングの方法に関しては常に「その方にとってどういった目的で貼るのか、どうすれば痛みが軽減できるか」を意識したものになるので、一般のテーピング本に記載されているようなマニュアル通りの方法には必ずしもなりません。同じ患者さんへの貼り方でも痛みの状態やその日の使い方等によっては昨日と、今日と、明日の方法がそれぞれ変わる場合も中にはあります。また対象の患者さんご本人の意向を出来る限り酌んだ形にさせて頂きたいと思っています。ぜひお気軽にご相談下さい。(院長:本多)