長生きとは?
当院に現在ご通院の患者さんで最高齢は97歳の女性の方です。もう長年のお付き合いになりますが、冗談好きで笑顔がチャーミングな、とてもお元気で素敵なお婆ちゃんです。ご趣味が折り紙で、これまでに数え切れないたくさんの「作品」を作って頂き、待合室などに飾らせてもらっています。
彼女を通して「長生きっていったい何だろう…」ということを常に考えさせられます。
以前にもこのコラムで書かせて頂きましたが、高齢になった方の誰しもが目標とするのが、「ただの長生き」 ではなく「元気でハツラツとした長生き」であることは言うまでもありません。また、体の健康と共に「心が健康」であることもとても大切なことです。この方も体の痛みや日々お過ごしになる上での様々なお悩みなどをよく私に打ち明けて下さいますが、それでも毎日を穏やかに、そして健康的に楽しく過ごすために自分が何をすべきか、とてもご自身がよく理解してらっしゃいます。
足腰が衰えないように出来る範囲の中でお散歩をされたり、身の回りの家事も大半をご自身でなさいます。人と積極的にお話されたりご趣味の折り紙に没頭するなど、脳に刺激を与え続けることも怠りません。努めて明るく、ストレスは溜めずに流してゆける楽天家でもあります。だからこそ実践できている健康的な長生き。それはまさに97年間のご自身の人生の中で体得した「成せる業」というものなのでしょうね。
1人1人、持って生まれた体の強さの違いもあれば生活環境の違いもあり一概に同じには括れませんが、いつまでも健康であり続けるためには「受け身」でなく「攻め」の姿勢も大事です。痛みや病気を「出しにくくさせる」ためにご自身が何をすれば良いのか。今一度、足元から見直してゆくことも必要ではないでしょうか。ご来院される患者さんを通して私自身も様々なことを学ばせて頂いております。
その折り紙作品の一部です。龍も渡し舟も雰囲気がお見事!(拡大できます)